3月18日(火)に未来構想会議第27回勉強会を開催しました。
今回は講師に龍崎孝嗣・経済産業省 脱炭素成長型経済構造移行推進審議官 GXグループ長、西田光宏・同GX投資促進課長をお招きし、「『エネルギー基本計画』とその具体策国家戦略『GX2040ビジョン』」というテーマでご講演いただきました。
要約
会議では2050年カーボンニュートラル目標達成に向けたGXの重要性が議論され、エネルギー安定供給やカーボンプライシングなどの具体的な課題や施策についても言及がありました。日本の競争力確保と雇用・所得の実現を目指すことが確認され、150兆円規模の投資計画も示されました。これらの取り組みを通じて、産業政策としてのGX推進の必要性が示されました。
龍崎孝嗣・GXグループ長、西田光宏・同GX投資促進課長から、我が国のGX実現に向けて以下のとおり説明があった。
- データセンターの立地戦略を検討し、原子力発電所の近くや再生可能エネルギーが豊富な地域への誘致を進める
- 中小企業向けのGX(グリーントランスフォーメーション)支援策を具体化し、省エネ投資の促進と脱炭素化を進める
- 洋上風力発電の導入を加速させるため、規制緩和や支援策を強化する
- 新型原子力発電所の建設や既存原発の建て替えに関する具体的な計画を策定する
- カーボンプライシングの具体的な制度設計を進め、2026年度からの排出量取引制度の導入準備を行う
- 再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、新技術(ペロブスカイト太陽電池など)の開発支援と実用化を促進する
- 水素の利活用に関する技術開発と実証実験を継続し、コスト削減と実用化を目指す
- 企業の脱炭素投資を促進するため、成功事例の創出と普及に注力する
- エネルギー基本計画の実現可能性を高めるため、具体的な施策と工程表を作成する
- 日本企業の国際競争力強化のため、GXとDX(デジタルトランスフォーメーション)を組み合わせた産業政策を推進する
これらの取り組みを通じて日本の競争力確保と雇用・所得の実現を目指すことが確認された。